苦手科目を得意に!? プロ講師が教える成績アップの方法【数学:後編】
2019.10.10
~プロの先生が教える数学の2つのコツ~
何が分からないのかをしっかりと確認して、分からないところをできるように、復習していくこと。これが、数学ができるようになるためのスタート地点となります。
では、そのあとはどのようなことに力を入れていけばいいのかといいますと、素早く正確に解くということと、数学で習った公式を使えるようになることです。これが数学では最も重要になります。
そのための繰り返しの問題練習では「短い時間で正確に解答できること」が重要になります。「じっくり時間をかければ正解できるけど、テストでは時間が足りない」ということにならないように、制限時間を決めて、問題の正答率を上げられるように訓練していきましょう。
さらに、問題練習の際は、面倒でも途中式は省略せずに残すようにしましょう。途中式を残しておくと、間違ってしまった問題を復習するときに「なぜ間違ったのか」を分析しやすくなります。
ここが最も重要なところで、ミスの原因が分からずにそのままにすると同じミスをずっと繰り返すことになります。間違った問題は必ず確認し、「正負の符号ミスが多い」とか「分配法則でミスしやすい」というような、自分のミスのパターンを理解して、問題を解く際に、その部分に注意して解いていくやり直しをしていきましょう。
例えば、分数の計算でミスが多い場合は、分母をそろえる通分のやり方がおかしかったのか、約分をし忘れているのか、単純に計算ミスをしているだけなのか、単純な計算ミスならなぜ分数の問題のときに計算ミスが多くなるのか、などの原因を探します。
その原因に対して、練習する問題を選んでいきましょう。通分や約分なら小学校の分数の計算から復習するのも手です。計算ミスでは、分数をノートに小さく書いてしまっているので、見づらくて間違えてしまっているということが分かれば、分数をノート2行使って大きく書くようにするなど、対処が変わってきます。
次に数学で使われる公式については覚えておかなければいけません。
特に三角形などの面積問題や球の体積などの問題を解くためには、それらの公式が絶対に必要であり、どれだけ計算力があろうと公式を忘れていれば、答えを出すことができません。
たとえるなら、野球でバットを持たずに試合をするようなものです。バットの振り方やどうしたらボールに当てることができるかという指導や練習は、バットを持っていない人にできるわけがありません。
このように、野球をやるのであれば、バットやグロープを持ってくることが当然というように、数学で公式をおぼえるということは、当たり前のことです。
ただ、この公式については、このような声が最も多く出ています。「公式は覚えているが、使い方が分からない」という声です。
同じように野球で例えるなら、バットを振ることはできるがボールに当たらないといっているようなものです。
ではどうすればいいのか?
もうわかりますよね。
とにかく公式を使ってみるということです。素振りと同じです。
公式については暗記することも大事ですが、使えるようになることが最も重要です。このように数学が苦手な人は、勉強の目的もしっかりと理解していきましょう。「公式をおぼえること」が重要ではなく、「公式を使えるようになる」ことが重要なのです。
何事も練習です。道具を持っていて、使い方が分かっていれば、誰でも使いこなせるかというとそうではありません。どういった場面で公式が利用できるのかの演習を行っていきましょう。速さ(距離÷時間)の公式は理科などで使われますが、公式を知っているのに理科という科目が違うだけで、問題が解けなかったりすることが多いです。
~成績の良い子はやっている数学の2つのポイント~
家での学習についてですが、学校からもらっているワークでは問題のレベル別にA・B・Cというように分かれていることが多いです。
数学に苦手意識を持っている生徒さんの場合は、最初からすべての問題を自力やろうとして、分からずに止まってしまうことが多いと思います。
今までの内容にもあった通り、基礎部分を理解した上で応用内容を行っていくことが重要なので、まずはA問題を、できるだけヒントなしでやってみましょう。ここがうまくできればB問題に進みます。B問題は、難度が高めの問題も混じっていますので、わからない問題は解答も確認しながら進めていきます。
ただし、分からないからといって解答を丸写しするようなことはせずに、解説を見て、解法が理解できるか確認しながら進めていきましょう。C問題については、非常に難しい問題が多くなります。80点以上を目標点とする場合はこれらの問題も解け
るようにしなければなりませんが、平均点を超えるくらいを目標とする場合は、時間をかけて考えなくても大丈夫です。
このように、段階を踏んで演習していくことが重要になります。
また数学では、理解して覚えるだけでなく、ミスをなくすための繰り返し練習が何より重要になります。成績が上がっている子は、自分に合ったレベルの問題を何度も繰り返しながら実力を上げています。
解説を見て理解できなかったところはそのままにせずに、必ず解決して自身の力にしています。勉強し始めは特にわからないところが多く、つらい作業が出てきますが、そこをに乗り切るための忍耐力も身に付けていきましょう。