数学が楽しくなる!?数学プロフェッショナルの里中がお送りする、マスターへの道 第5回 累乗 Part2
2022.02.27
今まで、「累乗」に関することを紹介していきましたが、今回は同じ累乗でも、ちょっと変わった視点で見ていきたいと思います。
数学はとても古くからあり、だいたい紀元前3000年くらいから使われています。(約5000年前です)
数字(自然数)が生まれて、その後に0という概念が誕生し、小数や分数など必要に応じて新しい数字が生まれてきました。
マイナスという数字も同じように、「0より小さい数があったなら」ということで誕生してきました。
このように数学では、無いものは新しく作っていくということを繰り返し、発展してきました。ただ、何でも作ればいいというわけではなく、今までの数学の原則などを守って、新たなルールを作っていきます。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここで次のような累乗を考えてみましょう。
「2の0乗はいくつかな?」
2乗、3乗と数字があるのなら、当然0乗もあるはず! ということで実際に0乗はいくつになるのかな?と考えてみて、皆さんはどのような答えを想像しましたか?
2を0回かけるから、0かな?と考える方が多いと思いますが、答えは「1」です。
なぜ、そのようになるのかを累乗の性質をふまえて考えてみましょう。
2の○乗の計算を順番に並べてみると…
2の1乗…「2」
2の2乗…「4」
2の3乗…「8」
のようになります。順番に2倍ずつ増えていくのが分かりますね。
ということで、逆にして考えてみると
2の3乗…「8」
2の2乗…「4」
2の1乗…「2」
2の0乗…「?」
上から下へ向かって、順番に÷2をしていることが分かるので、
2の0乗は「1」となることが分かります。
このように数学は、決められた法則に沿って考え、新しいものを作っていくので、ただ単に覚えるというのではなく、どのようにして考えてできたものなのかを探ってみると面白いかもしれませんね。